食 NEW 気になる人の「気にする食卓」第88回 奥菜 恵 中学生で芸能界デビューした女優の奥菜恵さんは、幼少期、野菜が大嫌いで母に迷惑を掛けたと振り返る。しかし、年齢とともに野菜嫌いから野菜中心の食生活へと変化していき、子育てではバランスの良い食卓を心掛けている。適度な運動と睡眠時間を大切にしながら、仕事と家庭を両立させている、その秘訣を伺った。
生物 「細胞と遺伝子」 第29回 なぜメスのほうが長生きなのか 多くの生き物でメスのほうがオスよりも寿命が長い、ということは古くから知られている。しかし、そのメカニズムは依然として解明されていない。寿命のメカニズムを知るためには、実験動物での解析が必要であったが、マウスなどの実験動物の寿命の長さがボトルネックとなり研究が進んでいなかった。この度、脊椎動物の中で最も短命なキリフィッシュの研究で、生殖細胞が寿命に関与する機序の一部が明らかにされた。
医学 ストレスと睡眠 腸内細菌の良好な環境が自律神経のバランスを整える 脳と腸が影響し合う、いわゆる脳腸相関における腸内細菌が果たす役割は多様だ。中でも過剰なストレス応答の抑制は、「良い睡眠」を得るための重要な要素となる。腸内細菌の環境が良好な状態で保たれることで自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが整い、リラックスする。寝つきが良く、深く眠れ、目覚めもすっきり——と、質の良い睡眠を獲得することができ、疲労回復にもつながる。今後の研究により、詳細なメカニズムが解明されるに違いない。
医学 ストレスと睡眠 昼夜メリハリのある生活習慣で「睡眠の質」の低下を防ぐ! 睡眠には、交感神経と副交感神経を調整し、脳をはじめとする臓器を休ませ、心身の疲労を回復するという大きな役割がある。しかし厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」によると、国民の約5人に1人が「睡眠による休養を十分とれていない」状況。「睡眠の質」の低下は、さまざま病気や心身の不調などのリスクを高めるため、軽視しないことが肝要だ。良い睡眠を確保するためには、まずは、昼夜メリハリのある生活習慣に改善することがポイントだという。
社会 特集 気候変動と日本の食 ルポ 海洋大国日本ならできる! ブルーカーボンCO2吸収作戦 日本沿岸には多くの海藻類が繁殖する、藻場が広がっている。魚介類の育成の場となることから日本では「海のゆりかご」とも称される藻場は、実は大気中のCO2を吸収・貯留するブルーカーボン生態系として注目されている。ブルーカーボン生態系をCO2の吸収源として活用すると同時に、漁業を発展させようとするプロジェクトがスタートした。海藻を食べるという食文化を持ち、海藻に関する科学的知見の豊富な日本だからこそ成し得る温暖化対策に期待が高まっている。
食 特集 気候変動と日本の食 変化する近海生物の生態——沿岸漁業はどう適応するか 海水温が上昇している。特に日本近海の上昇率はこの100年間で+1.28℃と、世界平均の+0.61℃の約2倍。この間、さまざまな海洋生物の生息域は変化し、従来の生態系のバランスは崩れつつある。気候変動が一因とされるが、現段階でははっきりと分かっていない。ただ、「環境DNA」の微量分析により、生物を捕獲せずに今の生態系を正確に把握できるようになった。日本近海にどんな生物が生息しているかを知ることで、より効率の良い沿岸漁業が可能になる。
食 特集 気候変動と日本の食 高温とCO2濃度の上昇が水稲に及ぼす影響と適応策 気象の影響を受けて生育する水稲。「30年に1度」という高温が2023年、2024年と続き、市場に流通米が不足する「令和の米騒動」まで起こった。地球温暖化の影響による高温で、収量減や品質低下が今後も起こると予測されている。加えて、温暖化の原因の一端ともいわれるCO2濃度との複合影響で、従来の予測よりも収量減や品質低下が深刻化すると考えられる。高温耐性品種の開発とともに、気候変動の作用を解明して正確な生育・収量予測につなげるなど、対応策が進行している。
社会 特集 気候変動と日本の食 〈巻頭インタビュー〉「温室効果ガス」の排出削減は「環境負荷」の認識が第一歩 人間活動が温室効果ガス排出を通じて地球温暖化を引き起こした——。今や疑う余地のない事実だ。そして人類は地球温暖化による気候変動という仕返しを受けつつある。温暖化の進みが速い陸域の食料生産が受ける影響は深刻だ。日本は食料の5割以上を輸入している。これはすなわち、生産国が農業に起因する温室効果ガスを日本のために排出していることにほかならない。こうした背景を理解し、暮らしの中の環境負荷を知ることから私たちの気候変動対策は始まる。
社会 暮らしの科学 第65回 暮らしを変える磁石のすごい力! マグネット式のさまざまな便利グッズが売られている。そもそもマグネットとは磁石のこと。便利グッズは磁石の吸着力を利用したものが多いけれど、エアコンや冷蔵庫などのモーターにも磁石が使われている。暮らしを支える縁の下の力持ちだ。今回は磁石について調べてみた。
生物 野本教授の腸内細菌と健康のお話41 「まずは安全であること」 プロバイオティクス(適正量を摂取することにより、我々の健康に有益な作用を発揮する生きた微生物)の要件として、生きた菌として提供されるからには、まずは安全であること、が最も重要であると考える。