食 NEW 気になる人の「気にする食卓」第89回 サッシャ 幼少期をドイツで過ごし、小学生時代に日本へ移住して、生活スタイルや食事の違いでカルチャーショックを受けたというサッシャさん。肉と野菜が中心の食生活だったが、結婚をきっかけに魚も食べるようになり、今では寿司が好物になったという。そして実体験から睡眠時間の大切さを感じているという。
生物 細胞と遺伝子 第30回 がん細胞を排除する細胞競合 変異した遺伝子を持つ細胞が、長期間のプロセスを経てがん細胞化することは分かっているが、がん化に至るメカニズムは未知の部分も多い。しかし正常細胞ががん細胞などの変異細胞を認識して排除する、細胞競合と呼ばれる仕組みがある。細胞競合とは正常細胞と変異細胞の生存競争のことで、つまり正常細胞の力を高めることができれば、がん化途上にある「前がん病変」を排除できるという。新たな予防的治療法の開発につながると注目されている。
栄養 〈シリーズ〉がんから身をまもる 第5回 栄養治療 患者個々に沿う栄養指導——がん病態栄養専門管理栄養士 抗がん剤治療はつらく、体重はどうしても減ってしまう。体重データは薬剤の投与量を左右するため、体重減少が続くと継続的な治療が難しくなる。治療を続けるには体重を落とさない適切な食事・栄養管理が重要だ。「がん病態栄養専門管理栄養士」は、がんに特化した栄養管理の専門職で、食事を摂れなくなった原因に基づき、調理学的、食品学的な観点から栄養指導を個別に行う。医師、看護師と連携し、がんの種類・病態・生活環境などを考慮したきめ細かなサポートをしている。
医学 〈シリーズ〉がんから身をまもる 第5回 栄養治療 体重を減らさないこと! 筋肉量減少は治療に影響する がんによる体重減少は大きく分けて、がんが引き起こす炎症やホルモンの代謝異常が直接的な原因となる「誘発性」と、がんに罹患したことが間接的に影響する「関連性」の2パターンある。手術後に合併症が起きやすくなるなど、体重の減少が予後の悪化を招くという事例は数多く報告されている。体重減少が治療の継続性を左右することは明白で、今では低栄養を予防・改善することが、がん治療の重要なファクターとなっている。栄養治療はがん医療を支える重要な存在だ。
生物 特集 ゲノム編集の真実 AI & ゲノム編集「微生物」で 生物資源の「ものづくり」 温室効果ガスの排出量削減に向けてさまざまな試みが進行している。なかでも生物資源を原料に、バイオ技術を活用して化石資源に頼らない「バイオものづくり」が注目を集めて久しい。ただ、活用できる微生物を見つけることが困難で、実用化は遠い道のりだった。現在、AIとゲノム編集という最新テクノロジーがその距離を縮めつつある。ゲノム編集技術を用いてAIによる設計通りに微生物を改変することで、化石資源を用いないさまざまな化学合成品を効率的に生産することが可能だという。
社会 特集 ゲノム編集の真実 無花粉化で花粉症は減少か⁉ 期待される人とスギの共生 日本で、ブタクサやスギ花粉を原因とするいわゆる花粉症が初めて報告されたのが、1960年代。以来、有病率は年々増加し、今や日本の「国民病」と呼ばれるようになった。なかでもスギ花粉症が最も多く、約4割の日本人がスギ花粉症に悩まされている。しかしスギは国土保全や生活に欠かせない資源のため、林野庁は花粉の少ない品種の開発に努めてきた。今では、ゲノム編集技術を用い、花粉をまったく出さない品種への改良が進んでいる。人とスギの共生が期待される。
医学 特集 ゲノム編集の真実 進化するがん免疫細胞療法 CAR-T/TCR-Tの期待と課題 免疫細胞療法は、がん細胞が持つヒト免疫システムから逃れるさまざまな機能を抑制する新しい治療法として期待されている。なかでもCAR-T/TCR-T細胞療法は、最新のゲノム編集技術を用いたバージョンアップも進み、難治性がん治療の“切り札”として注目される。しかし保険収載の細胞医薬品は海外産のため薬価が超高額となり、現実的に一般への普及は難しい。海外知財に頼らない日本独自の新基盤技術の開発とライセンス保護を、国家的レベルで進める必要があるという。
社会 特集 ゲノム編集の真実 〈巻頭インタビュー〉革新的な「ツール」がもたらす多様な「ものづくり」の可能性 ゲノム編集は、ゲノム編集ツールであるDNA切断酵素を使い、塩基配列を特異的に切断することで遺伝子を操作する技術だ。外来遺伝子を挿入する遺伝子組換えとは異なり、その生物の遺伝子を改変するための安全性が比較的高いとされ、さまざまな分野で普及している。この発展をもたらしたのが、革新的なゲノム編集ツールといわれるCRISPR-Cas9。開発者は2020年、ノーベル化学賞を受賞している。ゲノム編集技術でなければできない「ものづくり」の可能性は広がっている。
食 暮らしの科学 第66回 自分好みのゆで卵を作って食べたい! 半熟か固ゆでか、はたまた温泉卵か。殻付きで加熱調理する卵の味わいは幅広い。手間をかけずに作れて、つるりと簡単に殻がむけるゆで卵の作り方はないだろうか? 今回は、ゆで卵を究めてみたい。
生物 野本教授の腸内細菌と健康のお話42 プロバイオティクス菌体表層分子の不思議 本誌257号(2019年)コラム「口には口の 膣には膣の乳酸桿菌」をご覧になった、女性のデリケートゾーンの健康を志向したビジネスに特化している企業の方から連絡をいただき、2年ほど前から同社の研究開発のお手伝いをしている。