栄養 特集 ペットと暮らす ペットが健康で過ごせるために知っておきたい食の知識 ペットが健康に暮らすために食はとても重要だ。しかし、イヌは雑食もしくは肉食性のある雑食で、ネコは完全に肉食と、それぞれで食性が異なるため、何を食べさせるかには細心の注意が必要だ。今では、最適化されたペットフードがスーパーやコンビニで手軽に手に入るので、あまり頭を悩ませずに済む。ただしイヌやネコにもメタボリックシンドロームが見られ、新たな心配事が浮上している。大切なペットに長く健康に過ごしてもらうためには、ヒト同様、正しい食の知識が必要だ。
栄養 特集 ミツバチの世界 ハチミツだけではない! 多様なミツバチの生産物 ミツバチの生産物は古くから人の生活と深く関わってきた。その代表格であるハチミツは糖度が高く、甘味料として飲み物や料理によく使われるが、ミネラルが豊富で抗菌作用もあり、保存食としても利用されている。また、女王バチの幼虫だけに与えられるローヤルゼリーには、豊富なたんぱく質に加え特異的な脂肪酸が含まれていて栄養価が高く、健康食品をはじめ、保湿成分として化粧品にも添加される。他にもプロポリスや蜜蝋などミツバチの恩恵は少なくない。
栄養 特集 腸内細菌最前線 解明されつつある 認知機能との密接な相関関係 迷走神経でつながる脳と腸が情報を交換し合い、またホルモンのやりとりでも影響し合ういわゆる「脳腸相関」は以前より知られていたが、近年、腸内細菌が密接に関与することが明らかになってきた。そこで気になるのが脳の病気との関係。中でも注目を集めるのが認知症との関連性だ。国立長寿医療研究センターもの忘れセンターでは、2016年に腸内細菌と認知症の関係についての調査・研究を開始した。そこから、予防につながる生活習慣が浮かび上がってきた。
栄養 特集 腸内細菌最前線 〈巻頭インタビュー〉明らかになる健康への影響! 腸内細菌の具体的な機序 腸内細菌が健康に影響を与えることは以前より知られていたが、一般的にはほとんどなじみがなかった。しかし解析技術の進歩によって、この10年間で具体的な機序が次々と解明されている。例えば、私たち自身が持つ遺伝的要素が強いとされてきた体型や体質、薬の効果などに腸内細菌が関与していることが分かってきた。また腸内細菌の代謝物であるポストバイオティクスや、菌同士の共生関係の研究も進んでいるという。いまや腸内細菌は、遺伝子に匹敵するほど注目を集めている。
栄養 暮らしの科学 第59回 非常時でもおいしく栄養を摂りたい! 地震や大雨などの災害に備えて、食料の備蓄が重要視されている。だが、備蓄食料として、何を、どのくらい、準備すればよいのだろうか? 今回は、食に焦点を当て、非常時を乗り切るための“日頃の準備”について調べてみた。
栄養 特集 「糖質」そこが知りたい 有用な腸内細菌だけを増やす新しいオリゴ糖の開発 オリゴ糖は砂糖と同等の甘さを持つ低エネルギーの甘味料として知られているが、実は多様な機能が備わっていて、その一つが乳酸菌やビフィズス菌など有用な腸内細菌の餌として腸の調子を整える整腸機能だ。しかし最近の研究で、有用菌に限らず他の腸内細菌の餌にもなることが判明。そのため有用な菌だけを増殖させるオリゴ糖が注目され、開発が進んでいる。将来は、オリゴ糖で腸内細菌叢を自在に改善できる「次世代型プレバイオティクス」の実現が可能になるという。
栄養 特集 「糖質」そこが知りたい 老化を促進させる「糖化」から身を守る糖質の適切な摂り方 ストレスはさまざまな病気の原因となることが知られているが、老化を早める要因にもなっている。いくつかあるストレスのうち近年注目されているのが、糖化ストレスだ。糖化とは、体内のタンパク質が、過剰摂取で余った糖と結びついて劣化する現象で、老化を促進させるAGEsを産生する。AGEsの蓄積は認知症や糖尿病、動脈硬化などの危険因子となり生体に悪影響を及ぼす。避けるにはやはり、「糖を適切に摂る」ほかなく、何を、いつ、どれくらい食べるかが重要だという。
栄養 特集 「糖質」そこが知りたい 〈巻頭インタビュー〉生きるうえで欠かせない糖質 正しく理解して健康維持 糖質はエネルギー源として重要な栄養素であり、生体の機能維持に欠かせない。脳や神経、赤血球などは単糖類のグルコース以外利用できず、糖質はまさに生命に直結する根源的な分子といえる。風味や性質は料理に欠かすことができず、また、甘味は食事の楽しみを広げる―。糖は食に関しても重要な存在なのだ。さらに脂質の酸化やデンプンの老化、タンパク質の変性を抑制し、防腐など多様な機能を持つ。糖質を正しく理解し適正に摂ることが健康の秘訣だという。
栄養 特集 子どもの栄養 母親の妊娠時の栄養状態が将来の「健康」を左右する 特に若い女性の「痩せ」が増えているという。これは先進国では見られない日本に特異的な現象で、問題なのは、妊婦の痩せが早産や低体重で生まれてくる赤ちゃん、つまり低出生体重児リスクと密接な関係にあるということだ。さらに発育不十分な胎児は成人になってから、肥満や循環器疾患、2型糖尿病など生活習慣病になりやすくなることも明らかになっている。子どもの将来を左右する母親の健康な身体づくりはとても大切で、それは妊娠前の栄養管理からすでに始まっている。
栄養 特集 子どもの栄養 〈巻頭インタビュー〉子ども時代の「栄養」が生涯にわたり影響を与える 幼児期の栄養、その後の各ライフステージの栄養が、成人期の健康に影響を与えることがわかってきた。青年期以降は自分の意識の変化から食事や行動を変えてより良い栄養状態につなげることができるが、子ども、特に幼児期の栄養状態をより良いものにするためには、養育者との関わりだけでなく、周囲の環境を整えることも重要だ。スクリーンタイムなどきわめて現代的な課題や、食品多様性といった新しい視点が示されるなど、子どもの栄養を体系的に考える知見もそろいつつある。