社会 暮らしの科学 第69回 部屋干し? 外干し? しっかり乾かす方法 洗濯は日常的な家事だ。洗濯機に放り込むだけだと思っている人がいたら、それは大間違いだと指摘したい。きれいに洗うのも、しっかり乾かすにも、家事の担い手の手間がかかっているのだ。今回は、干すことに焦点を当て、上手な乾かし方を究めてみた。
社会 暮らしの科学 第67回 寒くて長い冬の夜は体の芯から温まりたい! 季節の植物を湯船に浮かべるのは、端午の節句の菖蒲湯と冬至の柚子湯だけかと思っていた。ところが、新年にもそんな季節の行事があり、不老長寿の象徴として知られる松の葉を用いると、体が芯から温まるという。今回は東洋医学の視点から、薬湯を探究してみた。
社会 特集 ゲノム編集の真実 無花粉化で花粉症は減少か⁉ 期待される人とスギの共生 日本で、ブタクサやスギ花粉を原因とするいわゆる花粉症が初めて報告されたのが、1960年代。以来、有病率は年々増加し、今や日本の「国民病」と呼ばれるようになった。なかでもスギ花粉症が最も多く、約4割の日本人がスギ花粉症に悩まされている。しかしスギは国土保全や生活に欠かせない資源のため、林野庁は花粉の少ない品種の開発に努めてきた。今では、ゲノム編集技術を用い、花粉をまったく出さない品種への改良が進んでいる。人とスギの共生が期待される。
社会 特集 ゲノム編集の真実 〈巻頭インタビュー〉革新的な「ツール」がもたらす多様な「ものづくり」の可能性 ゲノム編集は、ゲノム編集ツールであるDNA切断酵素を使い、塩基配列を特異的に切断することで遺伝子を操作する技術だ。外来遺伝子を挿入する遺伝子組換えとは異なり、その生物の遺伝子を改変するための安全性が比較的高いとされ、さまざまな分野で普及している。この発展をもたらしたのが、革新的なゲノム編集ツールといわれるCRISPR-Cas9。開発者は2020年、ノーベル化学賞を受賞している。ゲノム編集技術でなければできない「ものづくり」の可能性は広がっている。
社会 特集 気候変動と日本の食 ルポ 海洋大国日本ならできる! ブルーカーボンCO2吸収作戦 日本沿岸には多くの海藻類が繁殖する、藻場が広がっている。魚介類の育成の場となることから日本では「海のゆりかご」とも称される藻場は、実は大気中のCO2を吸収・貯留するブルーカーボン生態系として注目されている。ブルーカーボン生態系をCO2の吸収源として活用すると同時に、漁業を発展させようとするプロジェクトがスタートした。海藻を食べるという食文化を持ち、海藻に関する科学的知見の豊富な日本だからこそ成し得る温暖化対策に期待が高まっている。
社会 特集 気候変動と日本の食 〈巻頭インタビュー〉「温室効果ガス」の排出削減は「環境負荷」の認識が第一歩 人間活動が温室効果ガス排出を通じて地球温暖化を引き起こした——。今や疑う余地のない事実だ。そして人類は地球温暖化による気候変動という仕返しを受けつつある。温暖化の進みが速い陸域の食料生産が受ける影響は深刻だ。日本は食料の5割以上を輸入している。これはすなわち、生産国が農業に起因する温室効果ガスを日本のために排出していることにほかならない。こうした背景を理解し、暮らしの中の環境負荷を知ることから私たちの気候変動対策は始まる。
社会 暮らしの科学 第65回 暮らしを変える磁石のすごい力! マグネット式のさまざまな便利グッズが売られている。そもそもマグネットとは磁石のこと。便利グッズは磁石の吸着力を利用したものが多いけれど、エアコンや冷蔵庫などのモーターにも磁石が使われている。暮らしを支える縁の下の力持ちだ。今回は磁石について調べてみた。
社会 特集 ペットと暮らす ルポ 「人にはできないこと」を担うファシリティドッグのちから 「ファシリティドッグ」は、仔犬のときに厳選され、専門施設で2年間の高度なトレーニングを経て初めて役割を果たせる特別なコンパニオンアニマルだ。病院などに常勤して、患者をはじめ、施設にいるすべての人に安心感を与える。特に大きな心理的負荷がかかる場面でのサポートは、ファシリティドッグにしかできない重要な仕事で、その効果は着実に上がっている。ただ、今の日本ではファシリティドッグを導入している病院はごく限られており、支援の広がりが求められている。
社会 特集 「人間拡張」技術 楽に・うまく・楽しく——社会実装の現場を見る 「人間拡張」というと、ロボットスーツのような装置を着けて空を飛んだり、通常では不可能な力を出して重い荷物を持ったりと、人間の能力を超える機能を発揮させるSF的な装置をイメージしてしまうが、例えば工事現場では建設機械の遠隔操作で作業員の負担が軽減するなど、実はすでに、私たちの仕事や暮らしを支えている。また、リハビリの現場では、人工筋による運動アシスト器具によって、本来の能力そのものを引き出せるようになってきたという。
社会 特集 「人間拡張」技術 VRで五感に影響を与えて能力を発揮しやすい環境に 視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚のいわゆる五感は、それぞれに独立しているのではなく、相互に影響し合いながら一つの感覚をつくりだしていることが分かってきた。こうして得られた「クロスモーダル知覚」を、バーチャル・リアリティ(VR)技術を使って解明、応用しようという研究が進んでいる。いろいろな感覚をクロスさせることで、能力が発揮しやすい環境をつくりだすことが可能になるという。さらに、心理的にもいい影響がもたらされることも分かってきた。