気になる人の「気にする食卓」第89回 サッシャ

構成/編集部  写真/細田 忠

HEALTHIST INTERVIEW

サッシャ(さっしゃ)

(ラジオDJ、ナレーター)

1976年9月22日生まれ、ドイツ・フランクフルト出身。父がドイツ人、母が日本人のドイツ生まれで、小学校4年生のときに日本へ移住。大学時代にラジオDJを目指し、1999年に音楽専門チャンネルVibe(現MTV Japan)のVJとしてデビュー。現在、J-WAVE「STEP ONE」のナビゲーター、DAZNやJ SPORTSでスポーツ実況を担当する他、国際映画祭やイベントなどで司会を務めるなど、幅広く活躍している。

睡眠と新陳代謝は関係があると考え
快適な睡眠時間の確保を心掛けています

幼少期をドイツで過ごし、小学生時代に日本へ移住して、生活スタイルや食事の違いでカルチャーショックを受けたというサッシャさん。肉と野菜が中心の食生活だったが、結婚をきっかけに魚も食べるようになり、今では寿司が好物になったという。そして実体験から睡眠時間の大切さを感じているという。

ドイツ生まれで小学3年生までフランクフルトで過ごしたサッシャさんに、まずは当時の食生活での思い出について伺った。

幼少期はドイツで生活していましたが、母が日本人ですので自宅での食生活は日本食が中心でした。でも、当時の日本人向けスーパーは今のように商品が充実しておらず、価格も高かったので、お米や納豆も食べていましたが貴重品でしたね。そのため日本から送ってもらったお餅をよく食べていたり、現地の食材を利用して母がすいとんを作ってくれたりしていました。あとは、ドイツの家庭料理でじゃがいもやパンで作った団子の「クヌーデル」を食べていた記憶があります。

10歳のときに日本へ帰国し小学校へ通うと、ドイツにはない給食に驚いたという。

ドイツの小学校は7時台に授業が始まるので、家でヨーグルトなど軽い朝食を摂って、ドイツならではのライ麦パンにチーズやハムを挟んだものを学校へ持って行っていました。それを2時間目の後の少し長い休み時間にみんなで食べ、12時すぎには授業が終わって自宅で昼食を摂ります。ドイツでは昼に温かいものをしっかりと食べ、朝食と夕食は「冷たい食事」といって火を使わないシンプルな料理を食べるのが伝統なのです。だから、日本の小学校で給食があることにまず驚きました。しかも当時は、給食を食べ終わった人から校庭へ遊びに行っていましたが、自分は最後まで教室に残って食べていました。今では身長190㎝オーバーですが、小学校卒業時には152㎝しかなく、食事量も他の子に比べて少なかったのです。

中学校へ進学すると、それまで小さい容器のヨーグルトを1日1個食べていたのが、家族用の大きなサイズのものを1日に2、3個食べるようになりました。それとともに食欲がどんどん旺盛になっていき、体も大きく成長して卒業する頃の身長は182㎝、と30㎝伸びていました。中学校入学時にバスケットボール部へ入部しましたが、まだ身長が低かったので、卒業時まで続けていれば活躍できたかも、と思っています。

魚を食べる習慣がなかったため、食事は肉料理が中心だったが、結婚をきっかけに大きく変化する。

ドイツ料理は、ソーセージや肉料理に野菜というスタイルが中心で、魚料理は白身魚を揚げたものくらいしかありませんでした。だから、日本に来てからのごちそうといえば焼き肉で、生魚を食べる習慣がなかったため、寿司を食べるというのはもってのほかでした。でも妻が魚好きで、寿司屋へ行きたいと言われて、最初は恐る恐る一緒に行っていたのですが、食べてみるとマグロがおいしくて、今では寿司も好物の一つになりました。いわゆる食わず嫌いだったのですが、甲殻類アレルギーでカニやエビは食べられません。

日本語、英語、ドイツ語を駆使して、ラジオDJの仕事を中心に、スポーツ中継の実況やイベントの司会などで大忙しのサッシャさん。(写真提供:サッシャ)

夜おなかが空いたとき、妻がよく作ってくれる特製の野菜スープ。冷蔵庫にある野菜を利用して手早く作ってくれ、野菜中心のため体に優しく温まり、快適な睡眠を得られるという。(写真提供:サッシャ)

心身両方のバランスを考えることが重要

ラジオのレギュラー番組やスポーツ中継、イベントの司会で忙しく、食事は外食が中心になっている。

ラジオのレギュラー番組は朝が早いので、子どもの頃からの習慣であるヨーグルトやおにぎりを食べて出掛けています。そして夜は、イベントの司会や海外のスポーツ中継の実況などで遅くまで仕事をすることが多く、外食になるケースが増えています。そのときに注意しているのが炭水化物の摂取時間で、帰宅直前に炭水化物は食べないようにしています。

自宅にいるときは、料理好きの妻が常にバランスを考えた食事を作ってくれています。また、帰宅後におなかが空いたときは、妻が特製の野菜スープを作ってくれ、それを食べると体も温まって落ち着きます。

声を使った仕事をするうえで、食事面で気をつけている点はあるのだろうか。

仕事をする直前に辛いものを食べると、話している途中でむせてしまうことがあるので、食べないようにしています。特に気を使っているのは水分摂取量で、あまり飲みすぎてしまうと仕事中にトイレへ行きたくなってしまうので。実際、実況中継中にトイレへ行く失敗を何度かやっています(笑)。だから、喉を潤す程度に飲むようにしています。また、冬場にはハチミツやショウガを入れた温かい飲み物を飲んで、喉を大切にしています。

最後に自身の経験を生かした読者への健康面でのアドバイスを、サッシャさんに伺った。

これはあくまでも自分の体験なのですが、同じ量を食べても睡眠時間が短いと、体重が増えてしまいます。だから、新陳代謝と睡眠は関係していると思うので、忙しい中でも快適な睡眠時間をしっかりと確保するように、心掛けるといいと思います。また、長生きには健康寿命が重要だと思うので、心身両方のバランスを考えるといいのではないでしょうか。

この記事をシェアSHARE

  • facebook
  • line
  • mail

掲載号
THIS ISSUE

ヘルシスト 289号

2025年1月10日発行
隔月刊

特集
SPECIAL FEATURE

もっと見る