医学 特集 血液のしくみと働き 認知症早期診断を可能にするアルツハイマー病バイオマーカー アルツハイマー病の原因物質に作用し、症状の悪化を抑制する抗アミロイド薬の実用化が2023年に開始された。効果的な治療法のない認知症にようやく一筋の光が差し込んだと話題になったが、考慮すべきは、この薬剤の対象は軽度の早期アルツハイマー病に限定される点だ。そのため、早い段階で正確に診断するためのバイオマーカーの開発が急がれる。とりわけ、効率がよく、非侵襲的で安価な血液バイオマーカーは健康診断などで広く活用できると、期待が寄せられている。