気になる人の「気にする食卓」第78回 飯田圭織

構成/編集部  写真/細田 忠

HEALTHIST INTERVIEW

飯田圭織(いいだ・かおり)

(タレント)

1981年8月8日生まれ、北海道出身。1998年にテレビ番組「ASAYAN」のオーディション企画でモーニング娘。を結成し、「モーニングコーヒー」でメジャーデビュー。2001年にモーニング娘。の2代目リーダーに就任し、グループの中核を担うが2005年にグループを卒業。現在は2児の母であり、タレントとして幅広い分野で活動中。

口から摂取したものが体の中で
どのように栄養になるのか考えることが大切

「モーニング娘。」の2代目リーダーとしてグループをけん引していた当時、飯田圭織さんは仕事が忙しく食生活が乱れたために体調を崩して、食事の大切さを身をもって経験したという。そのため母親となった現在は、子どもたちに新鮮でおいしいものを食べさせることで好き嫌いがないようにし、食事と体の関係を一緒に考えるようにしている。

幼少期から食べることが大好きで、料理をすることにも興味を持っていたという飯田圭織さんに、当時の食生活について伺った。

とにかく食べることが大好きな子どもで、3時のおやつにおにぎりや卵焼きを食べていました。しかも食への好奇心もあり、当時スパゲティというとナポリタンくらいしか知らなかったのですが、テレビでたらこスパゲティが紹介されているのを見ると母にお願いして作ってもらっていました。それで、小学校の高学年になると自分で料理をするようになり、じゃがバターやクレープなどを作って自分で食べていました。

中学時代はバレーボール部所属で、成長期ということもありよく食べていて、夕飯時にお茶わんで7〜8杯もおかわりしていました。両親から「食べすぎだからもうやめなさい」と言われるくらいでしたね(笑)。

高校1年生のときに芸能界デビューが決まり、東京で一人暮らしを始めたが、仕事が忙しくなると食生活が乱れ体調を崩してしまったという。

テレビ番組の企画でデビューが決定し、東京で一人暮らしを始めたのですが、最初は時間があったので自炊をしていました。当時のモーニング娘。のメンバーとも料理の情報交換をして、どうやったらおいしい煮物が作れるのかなどの研究をしていました。でも、徐々に仕事が忙しくなっていくと生活スタイルは大きく変化しました。現場で出されるお弁当が中心となり、しかも時間がないため味わって食べるというより、飲み込んでおなかに流し込むという感じでした。多忙かつ栄養バランスが悪いため、体調を崩してしまうことが多くなり、自炊で必要な栄養を摂取していかないとダメだということを痛感しました。それで、仕事から帰宅したら疲れていてもすぐには寝ないで、仕事でまだ興奮状態にある脳をクールダウンさせる意味も含めて料理をしていました。料理に没頭しているとリフレッシュでき、いい気分転換にもなりました。

〈写真左〉息子の弁当は、とにかく量の多さとおいしさを重視しているという。荷物はかさばるが、温かい食事を食べてもらうために寒い時季は保温弁当箱を活用している。〈写真右〉少食の娘の弁当は、見た目で喜んでくれるように彩りよくし、キャラクター飾りをプラスすることもある。(写真提供:飯田圭織)

飯田さんが現在ハマっている十割そば。そばは歯ごたえが残るように水で締めて、温かい鴨ネギつゆで食べている。一人で食べる昼食のおかずは、子どもたちのお弁当の残りが多いという。(写真提供:飯田圭織)

子どもの成長を考えた食事メニュー

2児の母となった現在、食事は子どもの成長を支える栄養バランスを考えたメニュー中心となっている。

子どもの食事は、母親である私がたんぱく質、ビタミン、カルシウムなどを満遍なく摂取できるように考える必要があります。また、食材に好き嫌いが出ないように、初めて食べるものは新鮮でおいしいものを食べさせるようにしています。本当に最初が肝心で、子どもは初めて食べたものがおいしくないと、それを嫌いになってしまいますからね。

現在、息子は小学校3年生、娘は幼稚園の年中なのですが、2人ともお弁当を持って行っています。そのため、朝食とお弁当を作る朝が1日の中で一番大変で、息子が6時半には家を出るので毎朝5時に起きて支度をしています。お弁当は栄養バランスを考えて、メイン料理は肉と魚を交互にするようにしていますが、息子はサッカークラブに通っているので彩りよりも量、娘にはかわいらしい彩りを大切にして詰めています。

家族の3食すべてを作っている飯田さんは、昼食で大好きなおそばを食べるのを楽しみにしている。

お昼はお弁当の残りをおかずにして食べることが多いのですが、たまに取り寄せをした、小麦粉やヤマイモなどのつなぎを入れず、そば粉だけで打った十割そばを食べるのを楽しみにしています。温かい鴨汁につけてそばのコシを味わうと、本当においしいんです。

最後に、飯田さんが普段の食生活で気をつけている点について伺った。

私は常に体を温めることを大切にしています。冷たい飲み物はほとんど飲まず、常温水や温かい飲み物が中心で野菜もなるべく温野菜を食べ、お風呂も長く入って体を温めています。そうすることで血行が良くなり、自分としては体調がいいんです。また、食事は口から摂取したものが体の栄養になるので、今食べているものが体にどのようにいいのかを考えることも大切だと思います。そのようなことを話しながら家族で食卓を囲むと、食事の時間が楽しくなります。

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ヘルシスト 278号

2023年3月10日発行
隔月刊

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