他人の真似をしたダイエットよりも
自分に最適な食生活を見つけることが大切
モデルから俳優に転身し、現在は幅広い分野で活躍する照英さん。高校生から始めたやり投げで頭角を現し、大学時代にはオリンピック出場を目標に身体づくりに邁進していた。その後も自分なりの食へのこだわりから、常にベストコンディションを維持するため、メニューとペースは変えないようにしている。
高校時代に陸上部で、やり投げを始めた照英さんは、その出合いを次のように語る。
中学校で陸上部に入部しましたが、最初は走り高跳びの選手でした。その後、先生の勧めもあり100m走、走り高跳び、砲丸投げで競う三種競技の選手になり、全国大会にも出場しました。同時に、砲丸投げでも全国大会に出場し、投てき競技は自分に向いていると思うようになりました。それで高校からは、投てき競技として砲丸投げ、円盤投げ、ハンマー投げ、やり投げと4種目あるのですが、僕はやり投げを選択しました。投てき競技は基本重い物を投げるのですが、やり投げだけは800gと軽いやりを投げるため、軽い物を遠くまで投げる技術が必要になってくるのです。簡単に言えば、紙飛行機を遠くに飛ばすのと同じ原理が必要で、風に乗せるために競技場に設置された旗の揺れなどもチェックしながら投げるのです。単純に投げるだけではないところが面白くて、僕は完全にはまってしまいました。
高校時代の恩師から食事の大切さを学び、アスリートとしての身体の基本ができあがっていく。
僕は子どもの頃から、自分が食べたい物を食べていて、身長は中学時代に180㎝くらいありましたが身体の線は細くてヒョロヒョロでした。それで高校の陸上部の先生が母親に連絡し、お弁当の中身についてリクエストをしたのです。お弁当箱はA4サイズの2段になり、バナナも一房持たされるようになりました。基本は炭水化物とたんぱく質。ローカロリーで、おかずは鶏のささみが多かったですね。そのお陰で体重は10㎏以上増え、ウエイトトレーニングと合わせて身体の基盤ができました。先生から運動に必要な食事とはどういうものかということを学びました。
大学時代は陸上部の寮で生活し、オリンピック出場を目指していた。
大学入学と同時に、陸上部の投てき競技の選手だけが集まる寮に入り4年間過ごしました。寮の向かいにある定食屋のご主人が寮長だったので、その定食屋で朝夕ともに食事をしていました。朝も夕方も練習終わりですから皆おなかが空いていて、たくさん食べていましたね。運動して、しっかり食事をしての生活ですから身体もできていき、大学4年生のときには筋骨隆々で体重は90㎏くらいで、身体が一番できあがっていたと思います。その当時の目標はやり投げでのオリンピック出場でしたが、選考会である全日本選手権で優勝することができず、残念ながら夢で終わってしまいました。そこは悔いが残っていますね。
食事のメニューとペースは変えない
現在、芸能界で活躍する照英さんには、学生時代から続けている食へのこだわりがある。
学生時代、試合前日に普段と違うものを食べて体調に異変が起きたら結果を出すことができないと考え、自分の好きな物を食べていました。それは仕事の場でも一緒で、大切な撮影前日にいつもと違う食事をして体調を崩したら、周りの人に迷惑を掛けてしまいます。そのため食のメニューとペースを変えないようにすることを大切にしていて、妻にも普段作っていない料理には挑戦しなくていいよと言っています。だから、うちの食卓は十何年同じメニューをローテーションしています(笑)。
最後に照英さんから、食生活について読者へのアドバイスをいただいた。
僕は2019年に開催された全日本マスターズ陸上競技選手権大会のやり投げで優勝し、2020年7月にカナダで開催される予定だった世界マスターズ陸上競技選手権の出場権を手に入れたのですが、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響で中止になってしまいました。それで自分の目標を失って気が緩んでしまい、トレーニングも思ったようにできずに少し太ってしまったのです。このような状況下で、同じような思いをしている人もいると思いますが、気持ちを切り替えて新しい目標に向けて一緒に頑張りましょう。その際に人から聞いたダイエットをするのではなく、自分の身体には何が必要なのかということをしっかりと勉強してください。自分に最適な食生活をすることが、心と身体の健康につながるはずです。