生物 特集 ゲノム編集入門 昆虫の翅はどこからきた? 長年の謎がついに解明か 昆虫は地球上の生物の3分の2ほどを占め、そのほとんどが翅を持っているのだが、実は、翅の進化上の起源がどこにあるのかは分かっていない。その議論は『種の起源』が出版された19世紀末にはすでに始まっていたのだが、謎が解明されないまま現在に至っているのだという。しかしゲノム編集を用いた研究により、その謎が解き明かされる日がようやくやってくるかもしれない。
自然 特集 ゲノム編集入門 遺伝子を切断してつくる「毒の少ない」ジャガイモ ジャガイモは、芽と、緑色になった皮にソラニン、チャコニンという毒を持つ。そのため、収穫後の遮光、低温、発芽の抑制といった厳密な管理が、生産者や流通業者などにとって大きな負担となってきた。ところが近年、毒をつくり出す酵素遺伝子が発見され、ゲノム編集を使ってその遺伝子を破壊することで、毒の抑制に成功。当面の目標は、ゲノム編集による安全なジャガイモを食卓に届けることなのだという。
医学 特集 ゲノム編集入門 遺伝子編集とiPS細胞治療で「筋ジストロフィー」に光明 筋ジストロフィーは遺伝子変異疾患の中でも重症化しやすい難病だ。遺伝子変異によってジストロフィンというタンパク質の合成ができなくなり、動くほど筋組織が破壊されて萎縮が進行する。決め手が少ない中、現在期待されているのが、ゲノム編集で原因遺伝子を切除し、正常なタンパク質合成を取り戻す治療と、iPS細胞を使った細胞移植治療の組み合わせだ。
医学 特集 ゲノム編集入門 〈巻頭インタビュー〉より安全で効率的な改変に! 進化する「編集技術」 ゲノム編集は、塩基配列を切ったり他の配列をつなげたりしてDNAを改変する技術で、遺伝子組み換えもその一つ。現在はより進化した方法が登場し、食品をはじめとして医療、エネルギーなど、さまざまな分野で実用化が進んでいる。一方、遺伝子の改変は生命に直接影響するだけに、安全性や生命倫理について、社会を広く巻き込んでの慎重な議論が何より重要なのだという。