気になる人の「気にする食卓」第68回 ギャル曽根

構成/編集部  写真/山元茂樹

HEALTHIST INTERVIEW

ギャル曽根(ぎゃるそね)

(タレント)

1985年12月4日生まれ、京都府出身。2005年10月のテレビ東京「元祖! 大食い王決定戦」への出演をきっかけに注目を集め、大食いの女王としてバラエティ番組でも人気者に。2011年7月に結婚し、現在2児の母。著書に『ギャル曽根流 大食いHAPPYダイエット』(マガジンハウス)などがある。

家族で食卓を囲みながらおいしいものを
いろいろ食べると会話が弾みます

食に関する番組やバラエティ番組を中心に、幅広く活躍するギャル曽根さん。大食いの女王としても知られているが、単に食べるだけではなく、食に対する探求心がとても強く、調理師、野菜ソムリエ、食育アドバイザーの資格を取得している。そんな彼女の食へのこだわりと楽しみ方を伺った。

大食いとして知られているギャル曽根さんに、まずは子ども時代の食生活について伺った。

家族全員がよく食べるし、他人の家と比較したことがないので、自分が食べている量は普通だと思っていました。子ども時代は、例えば夕飯のコロッケを3個残しておいて、朝起きたらコロッケサンドにして食べようと思っていたら、年子の姉が先に起きて食べてしまっていたり、メロンパンが5個あるなと確認して寝たのに、朝起きたらなかったりとか。とにかく食べるのが好きで、小学生の頃は「お姉ちゃんがどんぶりでご飯を7杯食べたから、私は8杯食べるんだ」と、競っていましたね。学校の給食では、好きなものを多く入れてねと当番の子にお願いしたり、休んでいる子の分をもらったりしていましたが、昼はこれくらいにしておいて夜に自分の好きなものをたくさん食べようと思っていました。中学生時代はお弁当持参だったのですが、同級生の女の子のお弁当を見て小さいと思ったことはあるものの、ダイエットしている子も多いのであまり気にしていませんでした。私はご飯とおかずで弁当箱を分けて持って行っていましたが、姉も同じだったのでそれが普通だったのです。

そのギャル曽根さんが、自分は人よりも食べるんだと意識したのは、高校時代に同級生とカレーの挑戦メニューを食べたときだという。

高校生のときに、地元の舞鶴にカレーチェーン店ができ、カレー2㎏を食べたら無料という挑戦メニューがあったのです。それで同級生の男女6人で食べに行こうとなり、私だけが完食したときに初めて、私は人よりも食べるのかなと意識するようになりました。高校卒業後は、食べ物に携わる仕事がしたいと思い、料理の専門学校に進学し調理師免許を取得したのですが、学生時代にバイトしていた鳥料理屋の店長から、すごく食べるからTVの大食い大会に出てみたらどうだ、と言われたのです。無料で出演でき、無料でおいしいものが食べられ、勝てば賞金がもらえると、魅力的だったのですぐに応募しましたが、初出場時は2回戦敗退でした。実は当時、蕎麦はあまり好きではなかったので、付け合わせの天ぷらばかり食べていて負けたと記憶しています(笑)。でもそのとき、悔しいという気持ちはなく、こんなにたくさん食べる人が私以外にもいるんだという喜びのほうが大きかったです。

その後、TVの大食い番組でも優勝したが、たくさん食べる秘訣はどこにあるのだろうか。

私は大食い番組で勝ちたいと思ったことはなく、飽きたら食べるのをやめようと思って出ていました。いろいろなおいしいものをたくさん食べたいタイプなので、同じものを食べ続けていると飽きてしまうのです。たくさん食べる秘訣は特にないのですが、ある番組で身体を調べてもらったときに、腸内細菌の50%以上をビフィズス菌が占めているといわれました。普通の女性は10~15%らしいのですが……。腸もすごくきれいと。昔から納豆、キムチ、ヨーグルトなどをよく食べているので、それも関係あるんですかね?

ある日の夕食は、サバの塩焼き、筑前煮、手羽先、豆腐ハンバーグ、きんぴらゴボウ、豚汁、鶏とごぼうの炊き込みご飯など、おかずの種類も多くバラエティに富んでいる。(写真提供:ギャル曽根)

食に関する知識を広げるため資格を取得

学生時代に取得した調理師免許以外に、野菜ソムリエ、食育アドバイザーの資格を持つギャル曽根さん。

野菜ソムリエの資格は、結婚後、主人のダイエットをきっかけに取得しました。当時、私は野菜をあまり食べていなかったので、野菜のことを勉強してバランスの良い食事を食べてもらったら、半年くらいで15㎏も痩せました。そのとき、カロリーを減らしながらも満足感を得てもらえるように、半分お米、半分しらたきというご飯も出していましたね。食育アドバイザーの資格を取得したのは、食に関する仕事をいろいろとさせてもらっていて、自分の知識が薄いとTVを観ている人にしっかりと伝えられないのではと考えたからです。取得したことにより、食に対する見方が変わり、子育てをしている現在は、“孤食”が増えているので気をつけようなどと思うようになりました。

では、自宅での食生活はどうなのだろうか。

小学校3年生の息子と幼稚園年長の娘がいるのですが、2人とも主人より食べます。朝は、息子が6時半に家を出るので4時半から5時には起きて和食中心の朝食を作っています。息子は朝から大人用のお茶碗でご飯を3杯食べますが、私はごはんを用意しながらつまむ程度です。でも、子どもが学校へ行った後にヨーグルトにドライフルーツを漬けたものを食べています。ドライフルーツを一晩漬けておくと、フルーツの甘味が出てヨーグルトもモッチリしておいしいんです。

昼は、娘は弁当を持って行っていますが、息子は学校の給食を食べています。でも、すぐにおなかが空いてしまうようで、帰ってくるとおやつとしておにぎりを6個食べたりしています。あれば、あるだけ食べてしまうので6個にしているのですが、1個の大きさはコンビニのおにぎりよりも大きいです(笑)。

そして夜は、子どもにいろいろな食を楽しんでもらいたいのでバラエティに富んだ大皿料理にしているのですが、買い物に行くときに空腹だと余計なものまで買ってしまうので、必ず何か食べてから行くようにしています。また、炊飯器が2つあり、一升炊きで白米を炊き、五合炊きで炊き込みごはんを作っているので、1カ月のお米消費量は40~50㎏ですね。

最後にギャル曽根さんから、食生活を楽しむためのアドバイスをいただいた。

運動らしい運動はしていませんが、自分の健康維持法はやはり食生活だと思っています。食べるのが大好きで、いろいろな味を食べてみたいので、我慢するのではなくカロリーの低いものや野菜をバランス良く食べています。そして、食卓はできる限り家族そろって囲むことを大切にしています。みんなで、これおいしいねと言いながら、今日あった出来事を話し合うと会話が弾み、新しい発見もあるはずです。

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ヘルシスト 268号

2021年7月10日発行
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