社会 特集 ペプチドの世界 ペプチド合成が可能にする千差万別な「ものづくり」 1950年代に確立されたペプチド合成はその後も進化を遂げ、さまざま材料や製品開発、創薬など「ものづくり」に応用できるペプチドが数多く開発されるようになった。ペプチドで合成した金粒子を使ってがん細胞を特異的に熱して死滅させる光温熱療法や、再生医療に用いる細胞の培養界面の形成、ウイルスや爆発物を検知するセンサーなど、ペプチド合成が可能にする「ものづくり」はバラエティに富んでいる。
生物 特集 触覚の世界 触覚は視覚や聴覚に影響し「情動」を刺激する 触覚は他の感覚と異なり、自分の中に生まれたパーソナルな感覚として気持ちに作用するという。例えば美しい紅葉を見ても、きれいと感じる作用が自分の中で起きていると考えることもない。一方、ペットをなでると気分が落ち着き、見るだけでも癒やされるようになる。これは、触覚と視覚が刺激し合い、脳で感じるようになるからだ。このように、触覚には情動を刺激する要素があるのだという。
生物 特集 触覚の世界 触覚の再現で浮かび上がる 触感がつくる心的イメージ ソーシャルディスタンス、グータッチなど、新型コロナウイルスによって接触が制限された社会で、触覚はこれから私たちの生活にどのような意味を持ってくるのだろうか。触覚の再現技術の研究も進んでいる中、触覚が脳内で処理され実感として生み出されるメカニズムを解明していくと、実体験と触感は“心”を介して切り離せないものだということが分かってくる。
生物 特集 触覚の世界 〈巻頭インタビュー〉わずかな「違い」をも感知する 触覚の不思議な奥深さ 触覚は、自己防衛のために欠かせない知覚として進化の早い段階で生物が獲得した、五感の中でも原始的な感覚だ。わずかな「違い」をも感知できるなど、生物学的視点から見ると、とてもユニークな特徴を持つ。身体的には、触れたり触れられたりすることによって、気持ちが癒やされ、リラックスできたり、また、性差や文化的背景などにも影響されるなど、なかなか奥深い感覚なのである。