生物 野本教授の腸内細菌と健康のお話41 「まずは安全であること」 プロバイオティクス(適正量を摂取することにより、我々の健康に有益な作用を発揮する生きた微生物)の要件として、生きた菌として提供されるからには、まずは安全であること、が最も重要であると考える。
生物 野本教授の腸内細菌と健康のお話40 「他人の釜の飯」 筆者が学んだ1975〜1979年の獣医学は4年制(現在は6年制)で、基礎から臨床まで履修内容が膨大であり、4年生時の指導は「とにかく獣医師国家試験合格を優先すること」であったから、所属研究室(家畜微生物学)では満足な研究修業に至らなかった。従って、卒業とともに企業の研究所(東京都国立市谷保)で希望する微生物学の研究職に就くことはできたけれども、何しろ基本ができていないから、入社してしばらくは自らの不出来に鬱々とした状況が続いた。
生物 野本教授の腸内細菌と健康のお話39 プロバイオティクスの新たな戦略に向けて 知人が地方都市の中核医療施設で「食道胃接合部がん」と診断され、担当の医師から、より専門の施設での治療が必要と示唆された。施設間の地域連携システムを介して国立のがん専門病院を新たに受診し、ここでの綿密な検査を経て、症状の進行状況に応じた薬物療法が適用されることとなった。
生物 野本教授の腸内細菌と健康のお話38 ビフィズス菌の腸内定着 ヒト腸内の最優勢嫌気性菌群の一種であるビフィズス菌は、パリのパスツール研究所附属病院に小児科医として勤務していたアンリ・ティシエ(Henri Tissier、1866〜1916年)によって、小児便から分離された。
生物 野本教授の腸内細菌と健康のお話37 腸内フローラによる免疫修飾 David P. Strachanは、1958年の3月に誕生した1万7000人を超える英国人を対象とする疫学調査を実施し、被験者の11歳および23歳の時点のそれぞれから1年間遡った期間における花粉症の有病率は、家族内の同胞の数、特に兄や姉の数と有意な負の相関関係を示すことを見出した。
生物 野本教授の腸内細菌と健康のお話36 腸内細菌研究の仲間たち 発酵食品は「微生物の望ましい増殖と食品成分の酵素的変換によって作られる食品」と解釈されている。多様な発酵基材とこれを発酵させる微生物との組み合わせを有する数多くの発酵食品が世界中に存在する。我々は発酵食品を摂取することにより、同時にそれに含まれている発酵微生物をも摂取することが多い。そういうこともあってか、「発酵食品はプロバイオティクスではないのか?」と聞かれることがあるが、基本的に答えは「No」である。
生物 野本教授の腸内細菌と健康のお話35 プロバイオティクスの実験科学 発酵食品は「微生物の望ましい増殖と食品成分の酵素的変換によって作られる食品」と解釈されている。多様な発酵基材とこれを発酵させる微生物との組み合わせを有する数多くの発酵食品が世界中に存在する。我々は発酵食品を摂取することにより、同時にそれに含まれている発酵微生物をも摂取することが多い。そういうこともあってか、「発酵食品はプロバイオティクスではないのか?」と聞かれることがあるが、基本的に答えは「No」である。
生物 野本教授の腸内細菌と健康のお話34 発酵食品とプロバイオティクス 発酵食品は「微生物の望ましい増殖と食品成分の酵素的変換によって作られる食品」と解釈されている。多様な発酵基材とこれを発酵させる微生物との組み合わせを有する数多くの発酵食品が世界中に存在する。我々は発酵食品を摂取することにより、同時にそれに含まれている発酵微生物をも摂取することが多い。そういうこともあってか、「発酵食品はプロバイオティクスではないのか?」と聞かれることがあるが、基本的に答えは「No」である。
生物 野本教授の腸内細菌と健康のお話33 腸内細菌の培養と取り扱い ルイ・パスツール(Louis Pasteur, 1822~1895年)はもともとはフランスの化学者だったが、ワインの発酵や腐敗が酵母や細菌により生じること、さらには、カイコの病気や牧場の牛の炭疽病の問題解決や狂犬病のワクチン開発など、微生物学の領域で偉大な功績を挙げるに至った。
生物 野本教授の腸内細菌と健康のお話32 身近な動物たちの腸内フローラ 筆者は大学で獣医学を修めたが、卒業後はとんと臨床には関わっておらず、いわゆる「ペーパー獣医師」である。そんなわけで、獣医臨床の記憶として残っているのは、大学3年次終盤の、現在ならインターンシップともいえる臨床獣医研修のみである(現在の大学の獣医学教育は6年制であるが、筆者が学んだ当時は4年制)。