社会 特集 「脱炭素」の現実 〈現地ルポ〉目指せ「ゼロカーボンシティ」 北九州市城野地区の挑戦 CO2の削減には、暮らし方を変えていかなくてはならず、そのためには地域を挙げての取り組みが欠かせない。北九州市は早くから環境未来都市を標榜しており、2020年10月には、「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロとする」ゼロカーボン(脱炭素)シティを宣言。市内の各地で具体的な取り組みを行っている。しかしゼロカーボンに貢献するような生活様式の確立にはまだ時間がかかりそうだ。
自然 特集 「脱炭素」の現実 環境に負荷をかけない「代替プラスチック」の開発 石油製品のプラスチックは、その製造・焼却過程でCO2が発生する。さらに自然環境で分解されにくいため、さまざまな環境問題の原因にもなっている。海洋生物や生態系はもとより、食物連鎖を通じてヒトへの影響も懸念される。しかし、今や日常生活に欠かせない存在のプラスチックを根絶させることは不可能だ。使用量の削減は当然のこととして、環境への負荷を最小限に抑える代替プラスチックの開発が急がれる。
社会 特集 「脱炭素」の現実 第3世代の「火力発電」は温室効果ガス削減の切り札 政府は2050年までに脱炭素社会を目指すと宣言したが、達成までの道筋はかなり険しい。再生可能エネルギーの普及は不可欠だが、どうしても発電できない時間、つまりムラが生じてしまう太陽光・風力発電は、日本経済を支える安定した電力供給に不安が残る。そのムラを補完するためにも、火力発電の使用は現実的な選択といえよう。高効率の第3世代の火力発電技術は、「脱炭素」実現の一つの鍵となるかもしれない。
自然 特集 「脱炭素」の現実〈巻頭インタビュー〉「排出削減46%」実現へ 待ったなしの「構造変革」 CO2など温室効果ガス排出削減への取り組みが世界的に加速している。日本も2030年度の温室効果ガス排出削減目標を、2013年度比で46%減とすることが決まった。しかし、この壮大な目標を実現するには、多くの課題をクリアしなければならず、これまでの常識にとらわれた社会経済の構造のままでは極めて困難というほかない。技術的な革新はもとより、社会の仕組みのドラスティックな変革が求められている。
自然 特集 地球温暖化の深淵 「地球シミュレータ」で知る未来の地球の姿 猛暑、巨大台風といった異常気象から、スーパーに並ぶ魚の値段の変化まで、地球温暖化は日常生活にも大きな影響を及ぼす切実なものになりつつある。しかし、そうした人間の主観、実感とは距離を置きつつ、膨大なデータと計算によって、投げたボールの放物線を計算するように「地球の未来」を計算している専門家の目には、やや違った地球の姿が見えているようだ。
自然 特集 地球温暖化の深淵 日本から「高山植物」は消え「タケ」が勢力拡大!? 気候変動によって気温が上昇すれば、植物に適している環境は北に移動していく。そこで最も影響を受けるのが、低温環境の高山に生息する高山植物だ。このまま気温の上昇が続けば、やがて行き場を失い、日本から消えてしまうかもしれない。また、世界遺産・白神山地でもブナ林が20%ぐらいに減少するという予測もある。一方、温暖な気候を好むタケが、その勢力を北に伸ばしているという。
生物 特集 地球温暖化の深淵 昆虫の生態はどう変わる? 複雑に絡み合う要因 分布域を北上させたり、年間の世代数が変わったり、また、餌植物との成長サイクルがずれたりと、気候変動が昆虫の生態に与える影響は数多くある。昆虫の数が大きく変動すると、すぐに地球温暖化と結びつけたくなるが、実は、それほど単純な話ではなさそうだ。より確かな影響を探るには、長く地道な観察が必要なのだという。地球温暖化で昆虫の生態はどう変わっていくのだろうか。
自然 特集 地球温暖化の深淵 〈巻頭インタビュー〉予測不能な劇的変化も —— 今の地球に起きていること かつて経験したことのない台風や豪雨、熱波といった気象災害が頻発するようになり、これまで切迫感に乏しかった気候変動が、いよいよ現実的な脅威になってきた。さまざまなデータが地球温暖化を指し示している。どのようにして気温は上昇していくのか、また、地球は今、どのような状態なのか——。私たちはどのような覚悟を持ってこの事象と向き合うべきなのか——。