睡眠時間をしっかりと確保して
翌日に疲れを残さないことが大切
ヤクルトスワローズ入団後、勝負強い打撃でチームの勝利に貢献し、現役時代に4度、プロ野球日本一を経験した真中満さん。引退後は、コーチ、二軍監督を経て2015年から一軍監督に就任し、チームを14年ぶりのリーグ優勝に導く。その長い野球人生で結果をしっかり出してきた秘訣は、睡眠時間の確保で、翌日に疲れを残さないことにあった。
真中満さんにまずは、野球を始めたきっかけと当時の生活スタイルについて伺った。
小学校4年生の後半で部活動に所属するという決まりがあり、野球部に入部して本格的に始めました。放課後に、毎日2〜3時間練習をしていたので、帰宅するとおなかはいつもペコペコでした。そのため食卓に出されたものは、何でもおいしく食べていましたし、ご飯は2〜3杯おかわりしていましたね。また、子どもの頃から早く寝ることを心掛けていて、21時には就寝していました。睡眠時間をたくさん取らないと、体力面だけでなく気分的にも疲れが取れないように感じていたからです。
高校3年時に春夏連続で甲子園に出場し、東都大学リーグでは首位打者を獲得するなど活躍した。
高校時代は、甲子園出場を目指して練習に取り組み、3年生のときに春夏連続で出場することができました。当時の食事は、3食がっつりというより1日5食にして小刻みに食べていました。大学進学後は野球部の寮に入り、昼と夜は寮母さんが食事を作ってくれるのですが、朝は学生による自炊で、1年生が上級生に目玉焼き、卵焼き、いり卵のどれにするかを聞いて調理し、提供していました。ご飯は食べ放題だったので、大学時代は栄養バランスを考えるとかではなく、とにかく空腹を満たす食事という感じでした。
しかし、プロ野球に入り寮生活が始まると、学生時代の食事とは全然違っていたという。
ヤクルトスワローズに入団し戸田寮に入ると、栄養士の人が3食とも栄養バランスを考えた食事を作ってくれました。食堂には常に10品くらい並んでいて、バイキング方式で自分で料理をチョイスしていくのです。でも僕は、太りやすい体質だったので、無理に食べるということはせず、食べたかったら食べるというスタイルでしたね。結婚後は、妻がレシピ本を片手に栄養バランスを考えた料理を作ってくれました。
プロ野球時代に食事で苦労したのは、現役晩年に遠征で地方へ行ったときだったと振り返る。
ナイターで試合が終わると22時とか23時になり、それから夕食となると、当時の地方遠征時は外食しかありませんでした。外食後、ホテルへ帰ると疲れて寝てしまい、若いときは試合にフル出場しているから問題ないのですが、現役晩年は出場回数も減り体を動かす機会も少ないため、体重がじわじわと増えました。これは現役引退後、コーチ、監督になったときも同様で、運動量が減っても食べる量は変わりませんでした。
時間があるときは、自分で料理を作ることもある真中さんお手製のチャーハン(右)。また、大学時代を思い出して目玉焼き(左)を作ったりしている。(写真提供:真中 満)
奥さまが作ったある日の夕食は、サツマイモとゴボウの豚汁、砂肝炒め、玄米、納豆。栄養について考えるようになった娘さんのリクエストで、玄米を食べることが多いという。(写真提供:真中 満)
2001年シーズンは打率.312を記録してリーグ優勝に貢献。同年、近鉄との日本シリーズでは、2本のホームランを放つなどして日本一に貢献し優秀選手に輝く。現役晩年は代打の神様と称された。(写真提供:文藝春秋写真資料室)
食事に対する本人の意識が大切
子育てでは野菜嫌いの娘を心配していたが、運動を始めたことで食生活は一変したという。
実はうちの娘は、小学校6年生くらいまで野菜をほとんど食べなかったのです。学校の給食で野菜が出ると頑張って食べていたようなのですが、自宅では肉や魚しか食べない偏食でした。それで妻といろいろ話をして、無理やり食べさせるのはやめたのですが、中学校に進学したら急に自ら野菜を食べるようになったのです。学校で陸上部に入部し、栄養のことを考えるようになったようで、食生活が一変しました。急に野菜中心の食事となり、今では白米よりも玄米がいいとか、肉を食べてこれは脂っこすぎてダメだとか言っています。やはり無理に押し付けるよりも、本人が自覚して食事に対する意識が変わると、より強いものになるということを身をもって感じました。でも、食事時にこれは体に良い、悪いとかをいろいろ言われるようになり、逆にうるさいですけどね(笑)。
最後に真中さんから、読者に向けて健康面に関するアドバイスを伺った。
膝を痛めてしまい、現在は軽いストレッチで体を動かすくらいです。食事の量は現役当時の6割くらいになり、お酒の量もかなり減りました。現在、一番気をつけているのは、子ども時代同様に睡眠時間の確保です。翌日に疲れを残さないように、最低7〜8時間は寝ていて、多い日は10時間寝ています。皆さんも快眠確保で、いつまでも健康に過ごしてください。






