気になる人の「気にする食卓」第99回 北原照久

構成/編集部  写真/細田 忠

HEALTHIST INTERVIEW

北原照久 (きたはら・てるひさ)

(TOY MUSEUM/河口湖おもちゃ博物館 館長)

1948年1月30日生まれ。東京都出身。ブリキのおもちゃコレクターの第一人者で、1986年4月に横浜の山手に「ブリキのおもちゃ博物館」を開館。人気テレビ番組「開運! なんでも鑑定団」(テレビ東京系列)に1994年4月の放送開始から鑑定士として出演中。TOY MUSEUM/河口湖おもちゃ博物館の館長を務めながら、テレビやラジオ、CM、各地での講演会などと幅広く活躍している。

体は食べた物でつくられているので
感謝しながら食べることを大切に

ブリキのおもちゃコレクターの第一人者として、世界的に知られている北原照久さん。大学時代にスキー留学したオーストリアで、モノを大切にする文化だけでなく、食文化を大切にする生活スタイルにも触れたことが、その後の人生へ大きく影響したという。そして、食事時には感謝しながら食べることを大切にしている。

北原さんにまずは、幼少期の食生活にまつわる思い出について伺った。

僕は団塊の世代で、戦争が終わった3年後の1948年生まれです。幼少期は復興期で、食生活がまだ厳しい時代でしたが、小学校の給食で出たクジラの竜田揚げが大好きでした。当時、実家は東京の中央区京橋にあり、父がスキー専門のスポーツ用品店、母がちょっとした料理も出す喫茶店を経営していました。そのため母は手際が良く、おなかがすいたと言うと、手元にある材料でパッといろいろなものを作ってくれましたね。

実家がスキー専門店でスキーロッジを経営していたこともあり、小学生時代にスキー検定1級を取得。

父は、お店のお客さんにスキーを楽しんでもらうため、長野県でスキーロッジも経営していました。そのためシーズンになると、僕たちきょうだい(兄2人と姉)もロッジに1カ月くらい滞在していたので、小学生時代にスキー検定1級を取得するくらい上達しました。そのロッジで働いていた料理人のハンバーグが、絶品だったのを覚えています。

大学時代には、プロ級の腕前だったスキーのインストラクターを目指し、オーストリアへ留学する。

大学在学中に、スキーインストラクターの勉強をするため、オーストリアのチロル州インスブルックへ留学し、アパートで一人暮らしを始めました。でも、料理は作らないのでスキー場の食堂で食べるか、街で硬いパンを買ってくるくらいでした。あるとき、現地の親子と仲良くなり、その家に居候することになったのです。まず驚いたのが、家にあるテーブル、ソファ、時計、鍋、食器などは、代々受け継がれてきたモノばかり。調理をするときには、この鍋はひいおばあちゃんの代から使っていて、なんでもおいしくなる魔法の鍋なんだよと、いつも自慢するのです。それを聞かされて食べると、本当に料理がものすごくおいしく感じるんですよ。食事も1時間以上かけて、家族でゆっくりと話をしながら過ごす。モノだけでなく、時間も大切にするということを学びました。

ある日のブランチのメイン料理は、チーズオムレツと燻製ベーコン。レタス、キュウリ、トマトのサラダ、チーズが練り込まれたデニッシュ食パン、デザートの桃、アイスティー。(写真提供:北原照久)

夕食は、ホタテ、イクラ、タコ、ウナギ、マグロ、イカなどの海鮮丼をメインに、ハモの梅酢あえ、なすとベーコン炒め。お椀はシジミの味噌汁。料理上手な奥さまに、いつも感謝しながら食べている。(写真提供:北原照久)

横浜の山手にあった「ブリキのおもちゃ博物館」「クリスマストイズ」は、2025年10月、みなとみらいPLOT48に移転し「TOY MUSEUM」としてリニューアルオープン。http://www.toysclub.co.jp/museum/157/(写真提供:トーイズ)

バランスの良い食事で健康生活

オーストリアでの生活や文化に触れたことが、北原さんのその後のコレクター人生へとつながる。

留学から約1年後に帰国し、自宅の近所に粗大ゴミで捨ててあった柱時計を、自分で修理したものが最初のコレクションです。その後、ある人との出会いからブリキのおもちゃに興味を持ちコレクションするようになり、たくさんの人に見てもらいたいと博物館をオープンしました。自分の好きなことを仕事にしたので、寝る間も惜しんでずっと働いています。だから、健康には気を使っていて、腹筋ローラーを1日30回はやるようにしています。いつから始めたか覚えていないくらい、長年やっています。僕は凝り性なので、一度やり出したらずっと続けるタイプなんです。

博物館経営、マスコミへの出演、講演会と忙しい日々を過ごす中、バランスの良い食事を心掛けている。

講演会でよく話すのですが、体は食べた物で、心は聞いた言葉で、未来は自分の話した言葉でつくられる、と。体は食べ物でつくられるので、体にいいといわれているものを感謝しながら食べるようにしています。若い頃はスキーをやっていたので、質より量で食べていましたが、40代になってからは量は減り、朝昼兼用のブランチと夕飯と1日2食で、肉、魚、野菜などのバランスを大切にしています。また、オーストリアで学んだように伝統食や季節感も大切にしています。

最後に、自分の夢を次々に実現してきた北原さんから読者へのアドバイスを伺った。

先ほども言いましたが、体は食べた物でつくられているので、食事をするときに僕は感謝して食べることを大切にしています。皆さんも「いただきます」「ごちそうさま」と言うことで、料理の素材を作ってくれた生産者、調理をしてくれた人など、いろいろな人への感謝を忘れないようにしてください。また、自分の夢や願いを他人に言うと自分へのプレッシャーとなり、実現することが多いです。僕はそうやって、いろいろな夢を有言実行してきましたので。

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2026年9月10日発行
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