食 気になる人の「気にする食卓」第98回 榊󠄀原郁恵 高校生のときに第1回ホリプロタレントスカウトキャラバンで優勝し、歌手デビューを果たした榊󠄀原郁恵さん。子どもの頃、母に教えてもらった栄養三色運動でバランスの良い食生活を送っていたことで、芸能界の忙しい仕事も元気にこなしてきた。その体験から、子どもの弁当作りや家庭料理、自分の食生活でも栄養バランスを常に大切にしている。
医学 細胞と遺伝子 第10回 中和抗体とともに産生される感染増強抗体 ワクチンや感染で中和抗体は作られるが、同時に、ウイルスと細胞の結合を促進させ、中和抗体の働きを弱めて感染を増強させる抗体も作られていることが、新型コロナウイルスの研究で明らかになった。ワクチンはかえって重症化させるのではと不安になるが、一定数以上の中和抗体があれば感染増強抗体は作用しないので、心配無用という。中和抗体と感染増強抗体がどう作用し合うのか——今後の研究が注目されている。
医学 特集 そこが知りたい! お酒のこと 依存症患者推計107万人! 注目される「減酒治療」 アルコール依存症は精神疾患だが、患者数107万人と推計(2013年調査)されるうち、治療を受けているのはわずか6万人足らず。重症者と比べ自分は「そんなにひどくはない」と治療を受け付けない軽症者が大勢いるからだ。自分の病を否認する人たちに対し重症者と同じ「断酒一辺倒」では、たとえ治療を開始しても意欲が続かず中断してしまうことは多い。飲酒量を徐々に減らす「減酒治療」が選択肢の一つとして注目される。
医学 特集 ウィズコロナのストレス対処 新生活様式で実践したい自律神経を整える「10カ条」 新型コロナウイルス感染症のストレスは、思いの外、深刻なようだ。生活環境の変化や漠然とした不安、緊張などによる自律神経の乱れから、身体の不調を訴える人が増えている。ストレスを溜めないようにして自律神経を整えたいところだが、今の環境ではなかなかできないこともある。しかし、このような状況が永遠に続くとも思えない。「夢」と「希望」は最良の「薬」という。明日を信じて、今できることを実践したい。
生物 細胞と遺伝子 第39回 細胞膜の損傷が老化を引き起こす 細胞膜に傷がついた細胞の運命は、修復されて生き延びるか死ぬかの2択と考えられていたが、最新研究で「細胞老化」という第3の道があることが示された。老化細胞は慢性炎症や組織の機能低下を招くが、その原因はDNAの傷や変化によるものとされてきた。細胞膜の損傷もまた老化を引き起こすという今回の発見は、老化研究に新たな視点をもたらす。変形性関節症や動脈硬化など加齢に関連する疾患への介入を通じ、健康寿命の延伸につながる可能性を秘める。
医学 特集 予防医学の現在地 下水サーベイランスでピークを先行予測 下水中の病原体遺伝子濃度をPCR法で定量解析する「下水サーベイランス」は、不顕性感染者の捕捉や医療機関の診療状況に左右されない点で、従来の感染症サーベイランスを補完する有効な手法として、COVID-19パンデミックで脚光を浴びた。流行ピークを約1週間先行して予測できるリードタイムは、公衆衛生行政上きわめて重要だ。大阪・関西万博での実践で有効性が実証された今、輸入感染症・薬剤耐性菌対策への応用も見据えた、全国的な社会実装の加速が急務となっている。
医学 特集 予防医学の現在地 個別化予防・医療を目指すゲノム医療 ゲノム医療は、遺伝的素因と環境因子の相互作用を網羅的に解析する研究を通じて得られた知見を活用することで、疾患感受性、薬剤応答性、副作用リスクなどを個人レベルで予測し、個別化予防・医療の実現を目指す。バイオバンク・ジャパンは27万人規模の生体試料とオミックスデータを基盤に、アルコール代謝関連遺伝子(ADH1B・ALDH2)の多型と喫煙・飲酒が複合した場合の食道がん発症リスクが健常者比約190倍に達することを解明。社会実装に向けた取り組みが続く。
生物 特集 知られざる粘菌の世界 細胞性粘菌は「敵と味方を区別」する 脳も神経系も持たない変形菌が「かしこい単細胞」として注目を集めた。同じく粘菌と呼ばれる細胞性粘菌もまた、異なる化学シグナルで「敵と味方を区別」する巧妙な戦略を持つ。土壌表層に生息する細胞性粘菌は、同じ生息域の自活性線虫を胞子の運び屋(vector)として誘引する一方、地中深くに潜み運び屋に適さないネコブセンチュウは忌避させる。この仕組みを応用することで、最重要病害虫のネコブセンチュウから農作物を守りつつ、高毒性農薬依存から脱却する道が開ける。
生物 特集 知られざる粘菌の世界 動物と植物の特性を備える細胞性粘菌 生命は単細胞生物から多細胞生物へと進化してきた。細胞性粘菌は飢餓状態になると単細胞のアメーバが集合して多細胞体を形成し、24時間で胞子を作るという劇的な生活環を持つ。アポトーシスや細胞分化など、ヒトを含む多細胞生物に共通する遺伝子を備えながら、ゲノムサイズはヒトの100分の1。動物と植物、両方の特性を兼ね備えた独自の進化を遂げており、多細胞化の起源を探るモデル生物として世界的に重要視されている。多彩な二次代謝物は創薬への応用が期待される。
生物 特集 知られざる粘菌の世界 自他を「認識」する変形菌の非常識な生態 変形菌は単細胞生物でありながら、1つの細胞のまま巨大化するという特殊な生態を持つ。さらに驚くべきことに、自己と非自己を正確に見分ける能力まで備えている。同種であっても出身の異なる個体は数時間かけて識別し、融合できないと判断すれば静かに回避する。直接触れずとも、分泌した粘液鞘のシグナル物質で相手を見分けることも可能。この自他認識の解明は、多細胞生物の進化の起源や「生物にとって自己とは何か」という根本問題への理解を深める鍵となる。